タグが本物である
タップごとに変わる暗号署名を、タグ内の鍵でしか作れないことを検証します(NTAG424 DNA / SDM)。

BRAND PROTECTION — SECURITY
偽造品対策で想定される攻撃の手口ごとに、Manica Brand Protection がどう防ぐか、そしてどこまで防げるかを説明します。仕組みで防げること、検知して警告すること、運用と組み合わせて初めて効くことを分けて書いています。
01 WHAT IS PROVEN
タップ時の「本物」判定は、タグの暗号署名・読み取りカウンタ・ブランド側の署名付き登録情報の3つを照合して決まります。ブロックチェーンへの記録は判定の条件ではなく、登録直後は判定ページに「申請中」と表示され、記録が完了すると登録内容を後から誰でも検証できる証跡になります。攻撃はこのどれかを破ろうとするものなので、まず何を検証しているかを押さえておくと、以降の防御が理解しやすくなります。
タップごとに変わる暗号署名を、タグ内の鍵でしか作れないことを検証します(NTAG424 DNA / SDM)。
タップ回数のカウンタが前回より進んでいることを検証します。過去の読み取りデータの使い回しを見分けます。
ブランド側の秘密鍵による電子署名で、誰が・いつ・何を登録したかを検証します。署名はさらにブロックチェーンに記録され、「その時点に確かに存在した」証拠になります(03 存在証明)。
02 ATTACKS & DEFENSES
手口
市販のNFCタグに、正規タグから読み取ったデータを書き込んで「同じタグ」を作る手口です。QRコードや印刷ホログラムはこの方法で複製できます。UIDを書き換えられる特殊なタグを使えば、UIDだけで判定する方式も突破できます。
防御
限界
複製タグにできるのは「読み取った時点のURLを1つだけ保持する」ことです。それを使うと次の 02 の攻撃になり、検知の対象になります。
手口
正規タグを1回タップして得たURLを、偽物に貼ったQRコードや複製タグ、あるいはWebページに転載して「本物の判定ページ」を見せる手口です。署名は正規のものなので、署名検証だけでは見抜けません。
防御
限界
正規タグが一度もタップされていない状態で、盗み取った直近のURLを先に使われた場合、その1回だけは本物と判定されます。ただし、その後に正規タグがタップされた時点でカウンタが進み、以降の使い回しはすべて検知されます。
手口
偽造業者が自分でタグを用意し、有名ブランドの名前で真贋証明に登録して「本物」を名乗る手口です。誰でもブランド名を登録できる仕組みなら成立します。
防御
限界
「ブランド名の文字列」自体は他社も登録できます。区別の根拠は鍵(=登録者)であり、消費者が公式ブランドの登録かどうかを見分けるには、ブランド側が公式サイト等で自社の登録を案内する運用が有効です。
手口
登録されたタグ一覧や製品情報を、後からサーバ上で書き換えて別の製品に付け替えたり、登録日時をさかのぼらせたりする手口です。サーバ管理者やシステム侵入者による内部不正も含みます。
防御
限界
ブロックチェーンに記録されるのは署名(ハッシュ)であり、製品名や画像そのものではありません。また、記録は登録後に申請され、完了するまでは判定ページに「申請中」と表示されます。改ざんを「不可能にする」のではなく、記録完了後に「照合で検出できる」仕組みです。
手口
偽物に、偽造業者が用意した別のWebサイトへ飛ぶタグを付ける手口です。そのサイトは本物の判定ページに似せて作られ、常に「本物」と表示します。暗号認証を一切通らないため、技術的な検証では防げません。
防御
限界
この攻撃は、どのNFC・QR方式の真贋証明にも共通する弱点です。仕組みだけで防ぐことはできず、「確認先のドメインを消費者に伝える」運用と組み合わせることが前提になります。
手口
正規品からタグだけを剥がし、偽物に貼り替える手口です。タグは本物なので、暗号認証は正常に通ります。
防御
限界
貼り替えを仕組みだけで防ぐことはできません。1個の偽物に本物1個分のタグが必要になるため大量偽造には向かない手口ですが、高額品では物理的対策の併用が必要です。
手口
個々の偽物を見抜けても、「どの製品に・いつから・どれくらい」偽造の試みが集中しているかを把握できなければ、対策の打ちどころが分かりません。
防御
限界
統計は「兆候」を示すもので、偽造の事実や流通経路を特定するものではありません。異常を見つけたあとの調査・対応はブランド側の判断になります。
03 PROOF OF EXISTENCE
ブロックチェーン記録の役割は「改ざんを見つける」だけではありません。「その時点に、この登録内容が確かに存在した」ことを、当社を含む誰にも書き換えられない形で残すことが本来の目的です。手順は4つです。
STEP 1
登録日時・対象タグのID・コメントを1つのテキストにまとめます。
STEP 2
ブランドの秘密鍵で署名します。「この会社が、このタグを、この内容で登録した」という宣言です。
STEP 3
署名込みのドキュメントから固定長の値を計算します。1文字でも変わると別の値になります。
STEP 4
そのハッシュをブロックチェーンに書き込みます(OP_RETURN)。世界中のノードが保持し、誰も書き換えられません。
存在
同じハッシュを持つドキュメントは、ブロックが作られた時刻には存在していたことになります。あとから作ったものを「当時からあった」ことにはできません。
時刻
ブロックの時刻は、当社やブランドを含め誰にも変更できません。証明されるのは「遅くともこの時刻には存在した」ことで、ドキュメントに書かれた登録日時と記録時刻を比べれば、あとから作った登録かどうかを確かめられます。
署名者
ドキュメントには署名が含まれるため、「その時点でブランドがその内容を宣言していた」ことまで証明されます。
第三者が検証できます。
判定ページには記録先のトランザクションへのリンクが表示され、記録の存在と時刻はブロックチェーン上で誰でも確認できます。記録内容との照合には署名付きの検証用ドキュメントが必要で、当社が提示したドキュメントからハッシュを再計算して突き合わせれば、当社のサーバの回答を信用しなくても検証が成り立ちます。
限界
04 COMPARISON
○=仕組みとして備える、△=条件付き・運用との併用が前提、—=備えない。方式ごとの一般的な特性であり、個別製品の評価ではありません。
| 攻撃・要件 | QRコード | 印刷ホログラム | 通常のNFC(UID判定のみ) | Manica Brand Protection(NTAG424 DNA + ブロックチェーン) |
|---|---|---|---|---|
| データをそのまま複製 | — | △ | △ | ○ |
| 読み取ったURLの使い回し | — | — | — | ○ |
| なりすまし登録 | — | — | — | △ |
| 登録内容の改ざん | — | — | — | ○ |
| 偽サイトへの誘導 | △ | — | △ | △ |
| 正規タグの貼り替え | △ | △ | △ | △ |
| 専用アプリなしで消費者が確認 | ○ | △ | ○ | ○ |
05 HONEST LIMITS